鳥居耀蔵―天保の改革の弾圧者 (中公新書)



鳥居耀蔵―天保の改革の弾圧者 (中公新書)

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冷酷人間「鳥居の耀甲斐」の素顔とは

 鳥居耀蔵、といえば一昔前までは「遠山の金さん」の敵役「耀甲斐」として知られている人物でしたが、その「耀甲斐」の誕生と没落に関して詳細に記述した本といえます。

 鳥居が「耀甲斐」といわれるまでに忌み嫌われてる酷吏に変貌していった背景として、林大学頭を生家に持つゴリゴリの朱子学に凝り固まった人物で、それゆえに蘭学に対するアレルギーをもつプライドの塊に育っていき、それが蛮社の獄における渡辺崋山等への犯罪のでっち上げや前任の南町奉行の追い落とし、更には天保の改革での密偵や囮を使うなど何でもありの政敵追い落としや江戸庶民弾圧へと向かっていったことは見ていて寒気がたってくるくらいにスリルにあふれるものです。

 そして、彼の信念が一生変わらなかったことは、後半で20年以上にも及ぶ丸亀での幽閉生活に関する記述からも分かってきます。

 このような性格を持つ彼はどちらかといえばアメリカのFBIだったら歓迎されるでしょうが、生まれる時代を間違えたことが大きな悲劇ともいえるでしょう。



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